エクストラ デュラビリティ!
ハリーポッターかってw
先日、シマノから発表された2021年のNEWリール「21ツインパワーXD|21 TWIN POWER XD」、皆様はこの「XD」の意味をご存知でしょうか。
「XD」は「eXtra Durability」 の省略で、意味的には「耐久性特化型」といったところでしょう。
「え?頭文字じゃねーし!」と思った方もいることでしょう、しかしそこは「ED」と、また違った意味を成してしまうので「XD」にしたとかしないとかはシマノのみぞ知るということです。
はい、ということで今回の記事は「21ツインパワーXD|21 TWIN POWER XD」の「XD=eXtra Durability(耐久性特化型)」とは果たして…という観点で綴っていきたいと思います。
尚、本記事執筆中の2月現在は発売前のため、実機による検証は実施できておりません。従って、予測や想像による見解や意見を含みます。
半プラ20ツインパワーの記事についてはこちら↓↓↓
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本記事の内容
2021年4月発売「21ツインパワーXD」のスペックとは|21 TWIN POWER XD spec
まずはあちらこちらで定番の“スペック比較”を、私の主観を含めてやっていきます。
いつも思うのですが、搭載されている各フューチャーの“質”や“材”についての違いもちゃんと掲載するべきだし、その方がアングラーの興味もより深々になるのでは…?
SHIMANO FUTURE | 20 TP(無印) | 21 TP XD |
---|---|---|
HAGANE GEAR | ◯ | ◯ |
MICROMODULE GEAR Ⅱ | ◯ | ◯ |
X-SHIP | ◯ | ◯ |
HAGANE BODY | ◯ | ◯ |
MGL ROTOR | – | ◯ |
G FREE BODY | ◯ | ◯ |
SILENT DRIVE | ◯ | ◯ |
LONG STROKE SPOOL | ◯ | ◯ |
AR-C SPOOL | ◯ | ◯ |
RIGID SUPPORT DRAG | ◯ | ◯ |
X-PROTECT | ◯ | ◯ |
S A-RB | ◯ | ◯ |
OEN-PIECE BAIL | ◯ | ◯ |
CI4+ | – | ◯ |
海水OK | ◯ | ◯ |
シマノ公式に掲載されているフューチャーを並べると、その違いは「CI4+」と「MGL ROTOR」の2点。
まず「CI4+」について、21ツインパXDは「MGLローター仕様」だからという意味なのか、だとしても20ツインパ(無印)にも「CI4+」は使われている(半プラボディの部分)わけだし、こういうところが違いを分かりにくくさせる原因ですね。
ちなみに下記画像の箇所から“CI4+”を搭載したリールを見ると、20ツインパ(無印)は載ってきません。
単純比較でフューチャーラベルが2個多い21ツインパXDは、果たしてそれだけで無印より良いと言えるのかというと“言えない”でしょう。
何故なら、そもそも「金属ローター」≦「マグナムライトローター」では無いし、例えば「HAGANEボディ」の“材質”は?「マイクロモジュールギアⅡ」の“品質”は?と、初めから細かな疑問が絶えません。
こういった詳細スペックの掲載が無いことから、却ってアングラー側に粗探しされているというのが現状であり、「ほとんど変わってなくない?」という印象さえ持たせてしまう。
なので、確認が取れる範囲で推測も含め、もう少し深掘りして見ていきましょう。
仕様比較 | 20 TP(無印) | 21 TP XD |
---|---|---|
ローター | 金属ローター | マグナムライトローター |
カーボンクロスワッシャ | C5000XGのみ | all |
スプール | アルミ | アルミ & バリアコートスプーリング |
BB/ローラー | 9/1 | 10/1 |
ラウンドハンドルノブ | C5000XGのみ | all |
ボディ素材 | アルミ&CI4+ | アルミ&CI4+ |
自重(g) | ||
C3000HG | 215(MHG) | 200 |
C3000XG | 215 | 200 |
4000PG | 260 | 245 |
4000HG | 255(MHG) | 245 |
4000XG | 260 | 245 |
C5000XG | 260 | 245 |
ハンドル長(㎜) | ||
C3000HG | 55(MHG) | 55 |
C3000XG | 55 | 55 |
4000PG | 57 | 57 |
4000HG | 55(MHG) | 57 |
4000XG | 57 | 57 |
C5000XG | 57 | 57 |
シマノ公式説明文にシレッと書いてあるのが「カーボンクロスワッシャ」と「バリアコートスプーリング」です。
前者について(無印)では“C5000XG”にのみ搭載されており、今回の21ツインパXDについてはフルラインナップで同仕様となりました。
フルラインナップとはいえ「C3000HG〜C5000XG」までの“6機種”と、(無印)の“13機種”から半数に絞られています。
「カーボンクロスワッシャ」については通常のフェルト素材より“耐久性”に優れているがしかし、青物にしょっちゅうガチ走りされるような釣りをしている人以外には、それ程気になることではありません。
問題は、後者の「バリアコートスプーリング」です。
何が“問題“かというと、ダイヤモンドヤスリとかじゃないと傷がつけられないこのフューチャーは、これまでステラSWにしか搭載されていなかったところを、汎用スピンニングリールフラッグシップの“18ステラ”を飛び越して採用してきたことではないです。
二番手の“19ヴァンキッシュ“を飛び越したことでもなく、“問題“は、それを搭載させた21ツインパワーXDに「XD」と付与させたことに繋がります。
ていうか、どうしてこれのラベルはつけていないのか…ということを考えると、次期ステラに付けてやったぜ感を出そうとしているのか…とすら思えてしまう。。。
他には、BB(ボールベアリング)がローター固定部に一個付与されました。
※18ステラと19ヴァンキッシュにだけ搭載されているローターナット部の専用ベアリングであれば嬉しいですが、事実確認が取れ次第記事をアップデートいたします。
4000番手以上のハンドル長を全て“57㎜“にし、ハンドルノブは全て「ラウンドハンドルノブ(3000番手はEV製)」となっています。
これも4000番手以上をメインで使う人には嬉しい仕様ですね。
そして自重はMGLローターを搭載した分、21ツインパXDが“15g“軽くなり、価格は“2,000〜2,500円“高く設定されています。
さて、これらの違いを(無印)と比べて“変わった“と言うか“変わっていない”と言うかは人それぞれですが、筆者的にはそれが“良いか悪いか“はさておき“変わった“と判断しています。
21ツインパワーXDの「XD」は「eXtra Durability」の略称で「耐久性特化型」と言う意味ですが、皆様はここまでの(無印)との単純比較を見て、納得の「耐久性特化型」と思たでしょうか。
筆者は、仕様は変わったけれどもそれが決して「XD(耐久性特化型)」になったと思えないのです。
その大きな理由は「MGLローター」を採用していることにあります。
「MGLローター|マグナムライトローター」とは、16ヴァンキッシュから採用されている左右非対称構造のあれですが、18ステラ・20ツインパに搭載されている金属ローターよりも耐久性に優れいるのかと言えばそうではないでしょう。
17ツインパ XDまではMGL搭載で良かったにしても、今回もその流れと同様のアップデートでした。
もちろん、CI4+を基調としたMGLは、通常釣りをする上で困ることはそれほどないでしょう。
なんて、面白くもなんともなく当たり障りのないことは、このブログに書くつもりはありません。
SHIMANO公式では今回も磯ヒラや青物を釣る動画でPRしていますが、ここ数年、どのアイテムでも磯で撮影してますし、それで魅せられたら当然「このリール磯で青物ぶち上げられるの?!」ってなるわけで、正直、これはズルいですよ。
はっきり言ってそんなことよりも「その動画撮れるまでに何回リール変えたの??」的な真実を知りたいのがアングラーの本音でしょう。
筆者のメインフィールドがサーフであるということを前提条件にすると、20ツインパの記事でも書きましたが、19ヴァンキッシュがサーフアングラーにウケていなかった理由の一つがこのMGLです。
繰り返しますが、MGLはCI4+基調で構成され軽量化に特化させたローターであり、耐久性に特化させると、言わずもがな金属ローターが勝ります。
50g超えのジグをシャックたり、30g前後のシンキングペンシルをメインで使用するサーフの釣りでは、10ft超えで長めのロッドを組み合わせているだけに、いちいちたわむローターがめちゃめちゃ気になります。
そう、このMGLとはその素材や形状から、歪みやたわみが弱点です。
金属ローターに勝る部分は軽さと錆びとコストであり、決して耐久性ではないのではないでしょうか。
ギア構造を18ステラと同様に摺動子ガイドを2本にしました!とかでは無い限り、耐久性では(無印)に劣るじゃんということになりますね。
サーフゲームから考える21ツインパワーXD|ヒラメ釣りには“有り”なのか
今回の21ツインパワーXD、新し物好きの観点からは欲しいけど、サーフゲーム機としては“買い”ではないですね。
しかし、普通に“買い”と思っている人向けの考え方もあります。
20ツインパ(無印)からの21ツインパXDという頭があるので、絶対に納得できません。
だったらその考えを捨ててしまえばいいのですが、その前に、納得できない理由はここ数年のフューチャーアップデートが良かったことの裏返しでもあるからです。
要するに、それだけ次機への期待が大きいのですよ。
なので、20ツインパ(無印)からの21ツインパXDの矢印を、下に向ければよかったかもしれませんね。
20ツインパ(無印)から昇格させた21ツインパワー XDではなくて、19ヴァンキッシュから派生させた「21ヴァンキッシュXD」としてなら、話は変わってきませんか?
19ヴァンキッシュの強度をアルミで補填し、且つ、バリアコートスプーリングを採用し、より「耐久性特化型」としました。
しかも価格は安い「21ヴァンキッシュXD」です。
そうすれば、腑に落ちますよね。
というか、これならサーフでも「19ヴァンキより強い!」と思って使えますね。
XDの付けどころを間違えたということが問題なのです。
耐久性どうこうとか、ローターのゆがみたわみあれこれとか気にされない方にはいいのですが、サーフゲームはやればやるほど絶対にそれらが気になります。
何故ならそれは、サーフという環境が“過酷”だからだし、MGLだけでは語れない20ツインパ(無印)からの剛性問題があるからです。
20ツインパ(無印)の剛性問題についてはこちらの記事をご覧ください↓↓↓
ただでさえ半プラボディー化でファンの期待に応えられなかった20ツインパ(無印)から、更にMGL搭載で剛性感が損なわれました。(もはや何故XDなのかわからない…。)
先にも書きましたが、重めのルアーにアクションを入れたり、100m先(極端な話)のヒラメの噛みつきバイトにアワセを入れたりするサーフでは、ローターの歪みやたわみは鬱陶しくてたまらない。
しかも、砂混じりの波風にタックルを絶えず晒し続けている状況下で、MGL搭載分CI4+(樹脂)率が高くなったリールから、(無印)のそれよりタフネスさを感じて満足感を得ることは果たしてできるのでしょうか…できないでしょう。
それでいて、砂噛みや潮噛みとか発生しちゃったことを想像してみてください。
長い竿、重いルアー、狙うはなかなかの気難しさを醸し出す「ヒラメ」、バリアコートスプーリングなんてどこ吹く風の如く、めっちゃげんなりしますよ。
それだけに、21ツインパワーSWが…は、また別の記事にします。
本当の耐久性特化型機は作れる|21ツインパワーXD2.0と18ステラXD(仮)
ここまで長々とXDについて懐疑的意見を述べてきましたが、数々の共通部品を派生させているシマノリールならではの“組み合わせの自由”で、本当の耐久性特化型機は作れます!
これは他ブログでも書かれていることですが、こちらのブログではどうすればどうなるのか普通に書いていきたいと思います。
はい、これが現状作れる本当のツインパワーXDになります。
20ツインパ(無印)も21ツインパXDも、半プラボディー構造は内部も含め変わりませんが、金属ローターは使いたい。
21ツインパXDにはステラSWにしか搭載されていないバリアコートスプーリングが付いている。
21ツインパXDのスプールを20ツインパ(無印)へ載せます。
但し、番手は揃えてくださいね♪
そして、18ステラと19ヴァンキに使われているメインシャフトの専用ベアリングを取り付けます。
はい、これが本当の21ツインパワーXDですね。
21ツインパワーXD2.0とでもしておきましょうか。
でもここまですると、あることに気づきます。
あ、このスプール、ステラに載せちゃえばいいじゃん…。
18ステラはギア構造からしてユニークであり、剛性・耐久性・軽量、あらゆる面でフラッグシップです。
但し、スプールだけは21ツインパXDに武がある。
だったらそれ、載せちゃいなよ…と、いうことで、18ステラXDの完成です。
nextステラの仕様が怪しいので、18ステラXD(仮)とでもしておきましょう。
結論、何がどう買いで買いではないのかではなく、シマノ的には「全部買え」だったようです。
と、いうことで2021年4月に発売される「21ツインパワーXD」について予測や想像による見解や意見を書いていきました。
実機検証後のインプレッションも楽しみにしていて下さいね。
この記事やその他についてご質問・ご意見等ございました、本記事のコメント・お問い合わせページ「Contact」にてお寄せいただければと思います。