20ツインパを本音で語る!
コロナ禍の中、毎年恒例のフィッシングショーはオンライン形式として開催されましたが、2021年3月に創業100周年を迎えるシマノからは大量のNEWアイテムが発表されました。
中でも、昨年“半プラボディー”として登場し賛否両論の炎上を巻き起こした「20ツインパワー」シリーズは、今回「SW」と「XD」が新たにラインナップ。
「20ツインパワー」を買った人も買わなかった人も、「SW」と「XD」の登場を首を長くして待っていたのではないでしょうか。
NEWモデルの発売は「SW」の4000〜6000番台と「XD」が共に4月と、まだまだお小遣いを貯める時間はあります。
そんなあなたへ、「そもそも20ツインパワー(無印)はどうなの??」という観点で結構ズタボロに本記事に綴りたいと思います。
注意)20ツインパお気に入りの方は読まない方が良いかもしれません(笑)
こちらの動画は20ツインパ購入当初のファーストインプレです。
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本記事の内容
そもそも20ツインパワー(無印)はどうだった?|20 TWIN POWER 4000XG の感想
筆者は2020年前半戦に「20ツインパワー 4000XG(無印)|20 TWIN POWER 4000XG」を使用しておりましたが、結果的になかなかしっくり来ず、直ぐにステラに持ち替えてしまいました。
ちなみに20ツインパ以前のモデルについは使用してきませんでしたので、その点ニュートラルな意見になるかと思います。
ネット上で散々騒がれた「20ツインパ半プラ問題」ですが、購入当初はその意見に触れるまで何も気になりませんでした。
言われてみて初めて分かる程度な話だと感じていたし、それの何に問題があるのかと、そんなレベル感でしたよ。
が、しかし、使えば使うほど「なるほど確かにこれは文句が出るなぁ」と感じることとなります。
20ツインパの半ブラボディー構成は、リールフットと繋がっている側がアルミ、反対のギアボックス側がCI4+です。(このリールのローターやピニオンギアやその他の構成部品は全てギアボックス側に乗っている。)
これが所謂“ツインパ=剛性”のファンイメージを裏切った格好となったわけですが、実際使ってみるとよく分かります。
ステラと同じアルミローターを採用したところまでは良かったけれども、ギアボックス側をCI4+の樹脂素材にしたことで、巻き心地から剛性感を感じとることができないというか、なかなかのブレを感じるのです。
例えば、普通に生活していてアルミニウムと樹脂(プラスチック)って、手にしただけで硬さとか丈夫さの違いって感じますよね。
それが常に巻き巻きしているリールだと、手に伝わる振動が明らかにアルミのそれより軟弱に伝わってきます。
釣り人って、リールなんかは特に、釣りしてる時もしてない時もずっといじってたりするじゃないですか。
それを良しとするか別として、ちょっとの巻き感の差って、現代アングラーには誤魔化しが効かないですよね。
結果的には、コストカットのカラクリをアルミローターの剛性だけでは隠しきれなかった罪深き半プラ(アルミ&CI4+)ボディーだったというわけです。
どれだけギアを“HAGANE”にしようとも、土台がしっかりしていなければ成り立たないですね。
逆に言うと、しっかりした土台だからこそよりギアを“HAGANE”にできるのではないでしょうか。
いっそのこと、HAGANEボディ(仮)とかのフィーチャーにした方がウケたんじゃないかな。(笑)
ほんと罪深いですよ、この半プラボディーは。。。
筆者は基本的にリール分解的なことはほぼしないのですが、所謂、分解系YouTubeとか分解系ブロガーとかが20ツインパをバラして細かく解説してたりします。
気になる方は「20ツインパ 分解」とかで検索してみてください。
剛性感が無い理由は細かい構成やパーツを見ていくと明らかなのですが、要点をまとめると以下の通り。
- ローターやギア部全てを支える箱(ギアボックス)がCI4+(樹脂)なので「強度:アルミ≧CI4+」が剛性にもろ直結
- 摺動子ガイド2本構成からシングル構成にコストカット
- ローターナットの中身がカラー仕様
これは19ヴァンキッシュも同じ構成ですが、ローターからギア機構もろもろ全てを載せる土台がCI4+となっていて、数値的に問題ないとされている強化樹脂「CI4+」かもしれないけれど「やっぱりメタル素材のがいいよね」が人の感性ですし剛性感が無いと感じる由縁です。
“コストカットの面から「CI4+」を採用したかった”が浮き彫りになっているのは、ギアボックス側にリールフットが無いことが明示しています。
「CI4+」のギアボックス側にメタル素材のリールフット側のカバーを被せることで各リールに「HAGANEボディー」の印を押すこと自体がアングラーにウケてないんですよね。
ちなみに18ステラはフルメタルですが、ちゃんとギアボックス側にリールフットが搭載された“一体構造”となっていますよ。
皮肉にも18ステラのリールフットは19ヴァンキッシュと20ツインパとは逆の方に付いてます。
15ツインパワーは2本あったのに20ツインパからはシングル構成に、というか、これは19ヴァンキッシュもそうなので仕方ないかといえば仕方がない。
ギア機構を支える柱が一本減ってしまっては当然剛性感は落ちるのですが、この摺動子ガイド2本構成のリールは「ステラのみ」というプレミアム仕様になってしまったということが解せないですよね。
18ステラ、19ヴェンキッシュは共に専用ベアリングが使われているのですが、コアソリッドシリーズ二番手でしかも多くのシマノファンに愛されているツインパまでは、せめてこのくらい入れといてくれよと言ったところです。
カラーとベアリングによる回転の質の違いは言わずもがなですね。
これだけ、しかもリールの回転や剛性に直結するところをコストカットされていては、そりゃ剛性感は不足してしまいます。
変な噂でも都市伝説でもない、これらが20ツインパを炎上させた半プラだけではない真実です。
20ツインパのデザインは好きですし、実釣に必要な剛性は何の問題もありません。(たぶん)
個人差があって然りではありますが、筆者は巻いている時に感じる回転軸のブレにどうしても馴染むことが出来ませんでした。
上述した通り、回転軸にブレがあるので巻けば巻くほど遠心力が蛇行するんですよね。
余談ですが、筆者がダイワリールからシマノリールに持ち替えた理由もこの辺りにあって、所謂、ZAIONエアローターはちょっと頼りなかったんですよね。
ロングロッドで重めのルアーをメインに使うサーフゲームなら、尚のことその辺りの剛性感は必然的です。
18ステラの金属ローターを採用したところまではGOOD!だっただけに、多少重くてもいいからステラまでは行かずともちょっとしたプレミアム感を持たせた“20ツインパ”が本来期待されていたことでしょう。
昨今釣り業界では“軽さこそ正義的”な流れもありますが、軽量化に寄せることでコストカットも実現できる旨味は、実際それを買って使うアングラー側には何も美味しくないんですよ。
打倒19セルテート以上に存在価値を高められるチャンスだっただけに…。
20ツインパの回転軸のブレを改善するカスタマイズは、18ステラと19ヴァンキッシュに搭載されている「専用ローターナットベアリング」を追加することでアップデートする方法があります。
筆者はそこまではやっていませんしやる必要も無いと考えているので、ご興味のある方は「20ツインパ ベアリング追加」で検索すると記事がたくさん出てきますので、そちらを参考にしていただければと思います。
本当はこうしてほしかった20ツインパワー(無印)
冒頭に書いた通り、筆者は20ツインパ以前のモデルを使っていませんでしたのでそこまで思い入れはありません。
しかし、本記事にあれこれ書いている通り、それだけポテンシャルも世の中の期待も高かったリールだったということは理解できました。
なので、本当はこうであってほしかったであろう20ツインパワーを、次回作に期待も込めて推察しておきたいと思います。
但し、先日登場した「SW/XD」は…、と、それはまた別記事にすることにします。
現シマノの二番手といえば19ヴァンキッシュですが、あまりにもその肉抜き感が凄く“剛性感”とはほど遠い存在でした。
サーフでこのリールを使っていた人はかなり見かけましたが、「やっぱりサーフでは剛性感が必要だ」と、気になる人はとても気になっていたはず。
実際問題、メインターゲットとなるヒラメ釣りにおいてはリールパワーはそれほど必要ないし、もっというと、昨今フィネス化が進んだサーフヒラメゲームにおいては、軽さ故の操作性や感度の方がより重要な要素だったりします。(今年は更に進んでまた重量級の波が戻ってきている)
しかし、通えば通うほどに“サーフ”という環境がなかなかの過酷なフィールドだということは、多くのアングラーが感じることでしょう。
何がそんなに過酷かというと、絶えず吹き付ける「砂」だったり「潮」だったりするわけで、肉抜き感の強い“19ヴァンキッシュ”を使うアングラーは、頻発する「砂噛み」や「潮噛み」に悩まされていただろうし、それ以下グレードのリールなら尚のこと。
だから「やっぱりサーフでは剛性感が必要だ」と、次期ツインパワーのアップデートが待たれていたのだけれども、出てきた物は“19ヴァンキッシュ”のMGLを金属ローターに変えただけのような、よくよく見てみると「19ヴァンキッシュの廉価版?」だったわけです。
期待とは裏腹の反動が大きかっただけに「そっちじゃねーよ」と多くのアングラーが思っただろうし、19ヴァンキッシュの廉価版といえば…なわけで。
せっかくクイックレスポンスシリーズ・コアソリッドシリーズとあるのだから、“19ヴァンキッシュ”とは明確に差別化させた“20ツインパワー”が欲しかったアングラーの想いは、今も尚変わらぬことでしょう。
少々自重が重くなろうとも、せめて“フルアルミ”くらいにしていれば、まだ、ファンにはウケたのではないでしょうか。
せめて“19セルテート”らしく…。
しかも、そうしておけば先日発表された「21ツインパワーXD」との棲み分けも、より明瞭に印せたと思います。
20ツインパより先に登場したのが”19ストラディック”だったわけですが、これこそ正に“19ヴァンキッシュの廉価版”ですが、価格設定が「25,500〜28,500円」で実質3割引程度で購入出来るということを考慮すると「コスパ良い感が半端ない」し、だからこそウケたんですよね。
それだけにこの”19ストラディック”の存在も、20ツインパへの期待値を余計に上げてしまいました。
事実、リールフット側はどちらもアルミに対してギアボックス側は19ストラディックが「強化樹脂」で20ツインパが「CI4+」、ローターは前者が「強化樹脂」で後者が「アルミ」と、違いはこれだけではないのですが如何せん”19ストラディックのアップデート感”がかなり強い。
19ヴァンキッシュの廉価版として”19ストラディック”が先に出ていたんだから、その系譜を引き継がせた20ツインパでは満足いく訳がありません。
最後にまとめると「せめて“19セルテート”らしく…。」セカンダリブランドを確立したモデルを作り上げるべきですね。
19セルテがウケた理由は、18イグジストとは異なったギア構造やデザインを採用することによりもたらされた明らかなキャラクターの違い、しかも、剛性力が高く価格はそれよりも安いことから「18イグジストじゃなくていいや」と思わせることに成功したことです。
が、現状それ“一択”は取るに足ず…。
クイックレスポンスシリーズの長として登場した“19ヴァンキッシュ”は、フラッグシップであるステラと上手く棲み分けできていただけに、枝分かれさせる分岐点を次期モデルではしっかり修正してほしい。
そうすれば自ずと「TWIN POWER」ブランドが確立するであろうし、ライバル社には未だない「ダブルセカンダリブランド」として市場を取り囲むことが出来るのではないでしょうか。
次期モデルは結構先だろうけど、来年あたりに18ステラのアップデートがやってくるとすれば、そう遠い未来でもなさそうですね。
TWIN POWERブランドを確立させる要点は意外にもシンプルですよ。
ユニークデザインによる差別化!
業界トップの構造的剛性力!
と、いうことで「20ツインパワー(無印)」について、皆様の心の声を代弁すべく次期モデルへ大きな期待を込めて書いていきました。
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